「FIBAワールドカップ2019」での初勝利を目指すAKATSUKI FIVE 男子日本代表の第2戦はチェコと対戦。「引き離されずにしっかりついていく」ゲームプラン通り、40-45と5点差で前半を凌ぎます。「第3クォーターの出だしでチェコにアドバンテージを取られました」というフリオ・ラマスヘッドコーチは、後半開始5分間の間に2度のタイムアウトを取るほど苦しい状況を迎えました。45ー57と12点リードをされながらも、もう一度立て直し、第3クォーターを55-64と一桁点差に戻します。しかし、追いつけずに76-89で敗れ、ヨーロッパ勢から初勝利を挙げることはできませんでした。
201cmの#8トーマス・サトランスキー選手(シカゴブルズ)に対抗すべく、ポイントガードにコンバートした田中大貴選手(アルバルク東京)は先発で登場。ディフェンス時のサトランスキー選手へのマッチアップは馬場雄大選手(アルバルク東京)が務め、開始早々からチェコの起点を止めるディフェンスを見せます。田中選手が日本代表のポイントガードとして本格的に取り組みはじめたのは7月の合宿からであり、まだ1ヶ月半余りのこと。「まだうまくできるとは思っていませんので、今の自分ができることを全て出そう」という意識で試合に臨みました。「結果が全てではありますが、ワールドカップを通じてレベルの高い相手と試合ができることは、これからにつながります。点数が獲れるポイントガードを目指していきたいです」と目標を掲げ、新たな挑戦は続きます。
トルコ戦から試合の入り方が改善でき、第1クォーターは18-18と同点で終えました。その後の各クォーターも2ゴール差しか開かれておらず、僅差のゲームと言えます。しかし、「勝負どころでのプレーの質がひと味もふた味も違いました。確実にノーマークを作って、タフなドライブをしてもファウルをもらったり、ミスもほとんどなく特に終盤はプレーしていました」と比江島慎選手(宇都宮ブレックス)は世界との差を感じています。
オフェンスに関しては八村塁選手(ワシントンウィザーズ)の21点を筆頭に4人が二桁得点を挙げ、出場した8人全員が得点を挙げたのも成長点です。プレーが孤立していたトルコ戦とは違い、ボールをつなぎながらゴールを挙げるシーンも増えました。渡邊雄太選手(メンフィスグリズリーズ)からニック・ファジーカス選手(川崎ブレイブサンダース)、そして八村選手にワンタッチでボールが周り、シュート前にファウルされたことで幻に終わりましたが豪快なダンクも披露。比江島選手も、この試合は積極的にゴールにアタックし10点を挙げました。2016年FIBAオリンピック世界最終予選でのチェコ戦と比較し、「相手はだいぶ苦しんでいた印象があり、戦えたという手応えもあります。それでも勝たなければいけない相手でした」と悔しい中にも、成長が見られています。
76点を挙げたオフェンスについて、ラマスヘッドコーチは「現在の戦力を考慮すれば、これが限界に近い得点であり、ワールドカップでこれだけ得点できたことは評価できます」。翻ってディフェンスは「まだまだ改善の余地があります。特に3Pシュートに対するマークは修正していかなければなりません」と話すとともに、Bリーグではなかなか体験できないフィジカルコンタクトの向上が課題です。永遠の課題であるリバウンドですが、チェコ戦は相手の35本に対して日本も34本と互角だったこともプラス材料です。
日本戦のあとに行われたアメリカvsトルコ戦は延長戦までもつれ込みましたが、FIBAランキング1位のアメリカが93-92で勝利したことで、日本の2次ラウンド進出の可能性は消えました。しかし、9月5日(木)にはアメリカ戦(地上波フジテレビにて生中継)が待っており、その後も17-32位決定戦へ周り、もう2試合戦う機会があります。まだまだ世界との距離を測る真剣勝負は続きます。