昨日、チェコに敗れたAKATSUKI FIVE 男子日本代表戦のあとに行われた試合で、FIBAランキング1位のアメリカが冷や汗をかきました。第4クォーター残り0.1秒、リードしていたのはトルコであり、アメリカが3点を追いかける展開。同点に追いつく3Pシュートを放ったジェイソン・テイタム選手がファウルを受けます。3本のフリースローを決めればアメリカ、2本外せばトルコが勝つ状況でしたが、2本しか決められずに81-81の同点となって延長戦に突入。その5分間も終盤までトルコがリードしていました。残り9秒から4本のフリースローを全て外したトルコに対し、最後に2本のフリースローをしっかりと決めたアメリカが93-92で逆転勝利。次戦、日本は予選ラウンド最終戦でアメリカに挑みます。日本時間9月5日(木)21:30よりティップオフするこの試合は、地上波フジテレビにて生中継されます。
「FIBAワールドカップ2019」での目標のひとつに、ヨーロッパ勢からの初勝利を掲げていました。現時点では2連敗を喫し、2次ラウンド進出を阻まれた状況です。他グループの戦況を見れば、(オセアニアを除く)アジアのチームが世界に勝つことの難しさを目の当たりにします。
開催国の中国はポーランドを相手に延長戦の末、76-79で敗れており、ヨーロッパの牙城はなかなか崩せません。現在1勝1敗の中国は、本日のベネズエラ戦に勝てば2次ラウンド進出が決まります。それ以外のアジア勢は韓国、イラン、フィリピン、ヨルダンが2連敗を喫し、日本同様に17-32位決定戦へ回ります。
来年の東京オリンピックの予選を兼ねる今大会。上位7チームに出場権を与えられますが、各大陸によって分配数が決まっています。アジアは1枠が保障されているため、中国が2次ラウンドに進んだ時点でアジア代表としてオリンピック出場が決定。しかしベネズエラに敗れた場合は、17-32位決定戦での順位次第となります。
17-32位決定戦に回ることが決まった日本は、予選ラウンド終了後もグループFの3位・4位チームとの2試合が待っています。すでに2連敗したモンテネグロは確定しており、元アルバルク東京のミルコ・ビエリツァ選手がいます。また、昨日の試合でギリシャがブラジルに敗れたことで1勝1敗となり、2次ラウンド進出に黄信号が点灯。明日、1勝1敗同士のニュージーランドと対戦し、勝った方が2次ラウンドへ進出します。もしかすると、NBAでMVPを受賞したヤニス・アデトクンボ選手(ミルウォーキーバックス)との対戦が実現するかもしれません。
FIBAワールドカップは勝っても負けても、どのラウンドに行っても、チャレンジャーである日本代表にとっては全てがワクワクする試合の連続です。八村塁選手は、ワシントンウィザーズのコーチから「はじめてのワールドカップなのだから、とにかく楽しめ」と言われており、明日のNBA軍団との対戦で実力が試されます。他の選手たちにとっても、世界のマーケットに対して少しでも自らをアピールすることも大切です。BリーグからNBA入りを目指す馬場雄大選手(アルバルク東京)は、「1戦1戦が自分の将来を左右すると思っています。少しは自己中心的になっても良いので、自分のパフォーマンスを出すことを考えて戦っていきたいです」と言うのもプロであれば当然のことです。
チームの力、個の力を測る機会がまだ3試合もあります。全力を出し切ることで浮き彫りになる課題を見つけ、努力し成長することで、来年の東京オリンピックでの結果が変わってきます。FIBAワールドカップで対戦するチームはいずれも強豪であり、下を向いている暇はありません。どのチームも日増しに完成度が増している中、これからの戦いが重要であり、楽しみです。