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「FIBAワールドカップ2019」17-32位決定戦:日本81-111ニュージーランド「チームが目指しているスタイルを見失っているかもしれない」比江島慎選手

アメリカ戦で左第1趾末節骨を骨折した篠山竜青選手(川崎ブレイブサンダース)は残念ながら試合には出られません。しかし、ウォームアップから大きな声でチームを鼓舞し、今まで同様にリーダーシップを発揮します。「FIBAワールドカップ」で17-32位決定戦にまわったAKATSUKI FIVE 男子日本代表はニュージーランドと対戦。第1クォーターこそ29-29と同点で終えましたが、ハイペースのニュージーランドについていけず。結局、81-111と30点差をつけられ、4戦目も勝利を挙げることはできませんでした。

11本のターンオーバーを与え(日本9本)、リバウンドもニュージーランドの44本に対し、日本も37本と互角に渡り合います。これまで平均11.7本だったアシストも今日は19本に増やすも、決定的な違いは決定力でした。日本は72本とニュージーランドの67本よりも多くシュートを試みましたが25本しか決められず、シュート成功率は35%と精彩を欠きます。「最後は相手も遊んでプレーしていました」と渡邊雄太選手(メンフィスグリズリーズ)が悔しがるとおり、ニュージーランドは気持ち良く58%の高確率でシュートを決め、18本もの3Pシュートを沈めました。

「ニュージーランドはトランジションからのピック&ロールやアーリーオフェンスを得意とし、そこを警戒していましたが、我々のプランがうまく実行できなかったです」とフリオ・ラマスヘッドコーチは敗因を挙げます。

4連敗を喫し、落胆する選手たち。「チームが目指しているスタイルを見失っているかもしれません」と肩を落とす比江島慎選手(宇都宮ブレックス)。111点を奪われたディフェンスだけではなく、これまで強化してきた連動性あるオフェンスも見られず、どこが課題なのかも見失いかけています。

「もっとボールを動かしてピックなどをかけていかないとズレも生じないですし、相手も守りやすくなってしまいます。相手に良いディフェンスをされて、そのまま速い展開からやれてしまって今日の試合も引き離されてしまいました。みんなが点を取ろうという意識が強すぎているのも、また事実です。もっとチームのために動くことを、僕自身も含めて意識していく必要があります」(比江島選手)

第1クォーターを同点で終えた時点では、「自分たちのペースに持ち込めつつある」と渡邊選手は感じていました。しかし、その後は引き離されてしまい、「よく走るニュージーランドに対して途中から全然対応ができず、恥ずかしい試合でした」と反省しきりです。比江島選手は、これまでの3連敗の「ショックを引きずっている部分があり、そこを乗り越えて試合に臨まなければ話にならないです」と警鐘を鳴らします。

「なんとしても次の試合までに切り替えなければいけないし、それが一番大事です。気迫で相手に勝らなければならないです。みんなも落ち込んでいる部分もありますが、次までに絶対に切り替えます」(比江島選手)

「正直このままでは日本に帰れないですし、たくさんの方が応援してくださっており、またこれまで一緒に合宿してきながら落ちたメンバーがいる中で、こういう試合は絶対にしてはいけなかったですし、日本代表としてふさわしくありませんでした。いつも言っているので説得力はないかもしれませんが、もう一度切り替えて戦っていきたいです」(渡邊選手)

得点源である八村塁選手(ワシントンウィザーズ)の離脱はチームにとって大きな痛手です。ラマスヘッドコーチは「ワールドカップがはじまる前と現在では全く違うチームになっていますが、厳しい状況であっても結果を求めていかなければなりません」と最終戦に向かいます。次戦は、9月9日(月)16:30(日本時間)よりモンテネグロと対戦。ヨーロッパ勢からの初勝利を目指すとともに、日本が掲げた目標のひとつをクリアできるラストチャンスに賭けます。

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