「FIBAワールドカップ2019」はまだまだリーグ戦を行っている最中であり、熾烈なトーナメントにも突入していません。しかし2次ラウンドに進めず、17-32位決定戦を戦うAKATSUKI FIVE 男子日本代表にとっては、本日9月9日(月)16:30(日本時間)より行われるモンテネグロ戦で早くも最終戦を迎えます。
4連敗中の日本は「勝てないどころか良いゲームすらできていない。チームとしても良い雰囲気ではない」と竹内公輔選手(宇都宮ブレックス)が現状を説明します。心身ともにリフレッシュさせるべく、昨日の練習はオフとなりました。その中において、自主練習のためにコートに現れたのが公輔選手と竹内譲次選手(アルバルク東京)、そして比江島慎選手(宇都宮ブレックス)の3人です。
「昨日のニュージーランド戦が一番悪い内容でした。その原因のひとつに(八村)塁の離脱と(篠山)竜青のケガがありました。それによって、自分たちのバスケができなかったのが昨日の試合でした」と公輔選手は話し、他の選手たちが気負いすぎたこともあり、自分たちのプレーを見失ってしまいました。
譲次選手も、「(渡邊)雄太や(馬場)雄大もそうですが、塁がいないことで得点面のカバーをしようと思う部分が強かったです。そこに対して、プレーが個になりすぎた部分もあったのかなと思います。もっとボールムーヴして、相手の隙をうまく突くような日本がやりたいバスケとは少し違ったかもしれません」とこれまで練習してきたチームとはかけ離れてもいました。
ニュージーランド戦後のロッカールームで選手たちは「下を向いていました。もちろん日本代表は勝利が一番大事であり、見ている方にもあんなゲームをして失礼だったと思っています」と公輔選手は言います。「7月からほとんどの期間を一緒に過ごしてチームを作り上げて来ました。勝つことだけにとらわれすぎずに、この2ヶ月間練習してきたことをコートに置いてくるというメンタルで戦いたい。そうすれば良い結果が出ると思います」と続け、本来のスタイルをもう一度取り戻して最終戦に臨みます。
譲次選手は「この後にミーティングがあり、選手だけで話し合う予定です。10人しか出られない状況ですが、最後の試合をどう迎えるか、それぞれの気持ちを吸い上げて、ひとつにする最後のチャンスです。みんなの思いを最後の試合に見せたいです」と、もう一度チームをまとめてモンテネグロ戦に挑みます。
モンテネグロのエースであり、NBAオールスターに出場した#4ニコラ・ブーチェビッチ選手(オーランドマジック)とマッチアップする可能性がある公輔選手は、「楽しめるかは分かりませんが、自分の成長にとっては素晴らしい経験になると思います。そこで自分がなんとか貢献することができれば、チームの勝利にも近づくと思います」。
譲次選手は「もしかするともう会えないかと思っていました。しかも今回は、コートの上で対戦相手として再会できることが本当にうれしいです。でも、元チームメイトということを忘れ、一人の敵として勝負したいです」とアルバルク東京の元チームメイトである#51ミルコ・ビエリツァ選手との対戦に闘志を燃やしています。
チームがひとつなり、アジア予選や強化試合で勝利してきた日本のスタイルを取り戻して最終戦を迎えられるかどうかがカギとなります。「(FIBAワールドカップにおいて)ヨーロッパのチームにまだ勝ったことはなく、最後にそのチャンスがあります。モンテネグロをなんとか倒すことができたら、来年のオリンピックや2023年ワールドカップに向けても自信になると思うので勝ちたいです。ヨーロッパのチームに勝ったという記録を作りたいです」と公輔選手も意気込んでいました。
馬場雄大選手も同じく、「ヨーロッパに勝つという目標がまだ残っています。自分たちが掲げた目標をひとつでも達成したいとみんなも思っています。いないメンバーがいるからこそ、さらに日本一丸になれると思うので、さらに強固になった日本代表を見せたいです」。比江島選手は、「絶対に1勝したい。勝つためにどうすれば良いかを考えたときに、自分が得点を獲らなければいけないと思っています。もっと意識を変えなければいけないことを、今大会を通じて気付くことができました。ただただ勝ちたいです」。