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「FIBAワールドカップ2019」総括「塁のプレーを見ていてつらい部分があった」シェーファー アヴィ 幸樹選手

AKATSUKI FIVE 男子日本代表はすでに帰国しましたが、「FIBAワールドカップ2019」は決勝トーナメントに突入し、さらなる熱戦が続いています。この模様はCSフジテレビやDAZNにて中継されていますので、来年東京オリンピックにやってくる世界の強豪たちの真剣勝負をぜひご堪能ください。

世界トップレベルが集まるNBAでルーキーシーズンを控えるのが八村塁選手(ワシントンウィザーズ)です。今大会は予選ラウンドの3試合に出場し、平均13.3点、5.7リバウンド、2.3アシスト。大会直前に体調を崩し、トルコとの初戦へ向けた練習もままならないままワールドカップがはじまってしまいました。それでも15点を挙げ、ニック・ファジーカス選手(川崎ブレイブサンダース)とともにチームハイを記録します。

続くチェコ戦は「最後の力を振り絞って戦い、素晴らしいパフォーマンスでした」と東野智弥技術委員長が称え、21得点を挙げたことで復調の兆しが見られたかと思いました。しかし、翌日のアメリカ戦は4点に抑えられます。試合後、「できる限りのことをやって、できたことはあった」とポジティブなコメントを残しましたが、膝の不調と疲労によりここで離脱することになりました。この苦汁の決断について、東野委員長はこのように説明します。

「体重が減り、彼がもっているモンスターのようなものが今大会では見られませんでした。チェコ戦は最後の力を振り絞って戦い、素晴らしいパフォーマンスでした。しかし、もう水も出ないのにまだまだ絞り出せということを彼に課すべきかを考えたときに、すり減らしてはいけないというのが今回の判断です。その中でも残った選手たちが戦う気持ちを持って最後まで全うし、けっしてこれまで築き上げたケミストリーが崩れたわけではありません。それでもがんばろうという日本一丸を体現してくれました。今回の塁が途中で抜けたことは、今後かならずプラスに働くと思っています。なぜかと言うと、みんなが受け入れたからです」

「FIBA U19ワールドカップ2017」にともに出場したシェーファー アヴィ 幸樹選手(滋賀レイクスターズ)は、「塁のプレーを見ていてつらい部分がありました」と吐露します。本格的にバスケをはじめたのは高校2年の夏からであり、4年余りのキャリアで日本代表に選出され、ワールドカップに出場した驚きや喜びよりも「とにかく悔しく、自分の未熟さを感じました」。今夏、Bチームとしてジョーンズカップで活躍し、「そのときからAチームに残ることを信じ、ワールドカップに行くつもりでいました」と志高く臨んだことで12名のロスター入りを勝ち獲ります。しかし、思うようにプレータイムをもらえず、そして仲間を助けられなかった悔しかったことだけが記憶に残りました。

「塁ががんばっているのに僕自身がコートに立てず、塁を手助けすることもできずにひたすらベンチに座っているだけだったので、見ていてつらかったです。それも自分自身の実力不足のせいなので、とにかくアイツの横に立って、アイツを助けられたり、アイツと同じレベルで戦えるようにしなければならないと思いました」

来年、東京にやってくるチームが続々と決まっており、ワールドカップはオリンピック予選を兼ねています。「選手自身にとってもそれは同じです。オリンピックのロスター入りに対する切符を争っているわけです」と東野委員長と言います。プレータイムを得られなかったシェーファー選手も落選した候補選手たちも、そして全ての日本人選手がこの結果を受け止め、オリンピックに向けてどう成長するかが試されます。

日本の希望として期待以上の活躍をし、世界へと導いてくれた八村選手は人一倍責任感が強い選手です。「初のNBAドラフト一巡目で指名された日本人選手となり、日本での扱いなど我々も窺い知れないことを彼は一人で背負ったわけです。なおかつ、日本代表としてワールドカップに出て、来年のオリンピックに向けてもリーダーシップを取ってくれました。全てが彼にのし掛かった中で、我々もできる限り軽減させようとサポートしましたが、荷が重すぎました」と話す東野委員長は、今後はウィザーズなどとタッグを組んでその成長を見守る体制作りの必要性を訴えていました。

「楽しむのが僕の原点なので、そこは絶対に忘れないで戦っていきたいです」というバスケが大好きな八村選手ですが、今大会は日を追う毎にその笑顔が見られなくなっていました。これからの1年はNBA、そしてオリンピックと世界最高峰の戦いが続き、しっかりと笑顔を取り戻して活躍することに期待しています。

「サマーリーグからワールドカップまでとてもクレイジーな夏を過ごしています。いろんなところでたくさん試合をして、自分がどれだけ成長したかは分かりませんが、自信を持つことができたし、すごくワクワクしています。NBAシーズンがはじまるのがすごく楽しみです」

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